地域別炭素規制の乱立が業界に重圧
BAR Technologiesは、各地域で独自に進められる排出量取引制度(Emissions Trading Scheme: ETS)の拡大が、海運業界に深刻な影響を及ぼすと警告を発した。欧州連合のEU-ETS、アジア各国の独自制度、米国の州レベルでの規制など、異なる要件を持つ制度が並立することで、船社は複数の報告・認証プロセスへの対応を余儀なくされている。
脱炭素化の遅延リスク
同社は、こうした断片化された規制環境が、本来の目的である海運業界の脱炭素化の進展を阻害する可能性があると指摘。各制度への対応に追われることで、実質的な排出削減技術への投資や革新的なソリューション導入が後回しになるリスクがある。コンプライアンスコストの増大も、中小の船社やオペレーターにとって大きな負担となる。
統一グローバル枠組みへの要請
BAR Technologiesは、国際海事機関(IMO)を中心とした統一的なグローバル・カーボン枠組みの早期構築を強く求めている。統一基準により、業界全体での公平な競争環境の確保と、効率的な脱炭素化の推進が可能になるとしている。現状の地域別アプローチから、国際的に調和の取れた制度への移行が急務であると強調した。