2月28日を境に変わった中東海運の地図

Container Newsが報じたところによると、2026年2月28日に米国・イスラエルがイランの最高指導者アリ・ハメネイを殺害し、主要施設を標的とした軍事攻撃を実施した。これを受け、ホルムズ海峡とバブ・エル・マンデブ海峡の双方が紛争の焦点となった。AJOTによると、この攻撃は紅海へのコンテナ船航路復帰の見通しを決定的に損なわせた。2024年以降くすぶり続けてきた迂回運航問題は、さらに深刻な段階に突入した。

滞留3,200隻、VLCC運賃は1日$423,700に急騰

Splash247が報じたところによると、2月28日以降、ペルシャ湾域に3,200隻が滞留する事態となった。タンカー市場への影響も即座に現れ、中東~中国間VLCC運賃(TD3C)は月曜日に前日比$205,600上昇し、$423,700/日に達した。エネルギー輸送の大動脈であるホルムズ海峡が事実上機能不全に陥ったことで、油価格上昇と港湾混雑の連鎖が現実味を帯びている。

邦船2社が通航停止、欧州系船社も即時対応

Global Trade Magazineによると、日本郵船(NYK Line)と商船三井(Mitsui O.S.K. Lines)はホルムズ海峡経由の全船舶輸送を一時停止した。Container Newsが報じたところによると、Maerskは中東全域のサービスを即時停止し、カーゴ受け入れと新規予約を大幅に制限。CMA CGMはイラク、バーレーン、クウェート、カタール、アラブ首長国連邦、オマーン、サウジアラビア、ヨルダン、イエメン、エジプト(アイン・スフナ港)向けの危険物・有害物予約をすべて即時停止した。主要船社が横並びで運航制限に踏み切ったことで、代替ルートの確保は一段と困難になっている。

長期化シナリオと2026年の運賃見通し

AJOTによると、Vespucci MaritimeのCEO Lars Jensenは、イラン戦争が迅速に解決しない場合、コンテナ運賃の高止まり、油価格上昇、港湾混雑が2026年を通じて続く可能性があると指摘した。一方でHapag-Lloyd CEOのRolf Habben JansenはAJOTの取材に対し、2026年が有望な年であるとの見方を示しており、業界内でも見通しが割れている。また、Global Trade Magazineが報じたところによると、海運業界は中東紛争におけるポート労働者の保護も要求しており、現場レベルでの安全確保も課題となっている。