海峡閉鎖が生んだ「迂回の二重構造」

ホルムズ海峡の通航制約を受け、コンテナ貨物と原油輸送の双方で代替ルートの模索が本格化している。The Loadstarが報じたところによると、サウジアラビア・ジェッダ港がペルシア湾向けサプライチェーンの迂回拠点として急速に存在感を高めており、Red Sea(紅海)経由でアクセスできる同港がペルシア湾諸国の主要コンテナゲートウェイとしての役割を強化しつつある。

一方、gCaptainが報じたところによると、海峡内ではイラン沿岸を航行する「許可ベース」の通過という新たな航路パターンが出現している。完全な閉鎖ではなく、限定的な通航が継続している実態がうかがえる。ホワイトハウス経済顧問ケビン・ハセットも同日、タンカーが海峡を通航し始めていると発言し、イランの行動が米国経済に悪影響を与えていないと主張した。

船社が課金強化、荷主への費用転嫁が始まる

FreightWavesが報じたところによると、複数の海運会社がペルシア湾での無料保管延長時間に対して荷主への課金を開始した。平時であれば無償提供される保管時間に対し、危機対応コストを荷主に転嫁する動きが広がっている。また、複数国がイラン通過に向けた交渉を進めているとも伝えられており、通航条件の整備が並行して進む構図だ。

市場・燃料供給にも波及

gCaptainが報じたところによると、Evangelos Marinakis氏が支援するCapital Tankers Corp.はオスロ取引所への上場初日に株価が下落した。ホルムズ海峡閉鎖による世界原油輸送の混乱が投資家心理を冷やした形だ。シンガポールの燃料供給業者も中東紛争拡大に伴う価格変動に対応して燃料購入量を削減しており、バンカー市場にも不安定要因が広がっている。

政治的枠組みは不透明なまま

gCaptainによると、トランプ大統領はNATO同盟国がイランへの米軍事作戦支持を拒否したことを公表し、米国は単独行動が可能であると発言した。これに対し、アラブ首長国連邦は米国主導の船舶保護活動への参加に前向きな姿勢を示している。トランプ政権は戦争が数週間以内に終了すると予想するが、国際的な協調体制は整っておらず、通航の安定確保に向けた多国間の枠組み形成は依然として不透明な状況にある。