ECAはMARPOL条約附属書VIに基づきIMOが指定する海域で、現在はバルト海、北海、北米沿岸、米国カリブ海の4海域が設定されている。ECA内を航行する船舶は、硫黄分0.10%以下の燃料油を使用するか、スクラバー(排ガス洗浄装置)を搭載して同等以上の排出削減を達成する必要がある。一般海域の硫黄分規制が0.50%(IMO 2020で引き下げ)であるのに対し、ECA内はさらに厳しい基準が課される。NOxについても、2016年以降に建造された船舶がECA内を航行する場合、Tier III基準(Tier Iの約80%削減)の適用を受ける。地中海もECA指定に向けた議論が進行中で、指定されれば欧州近海を航行する船舶のコスト構造に大きな影響を及ぼす。船社はECA航行距離に応じて燃料サーチャージを設定する場合があり、荷主の輸送コストにも直結する。
規制
ECA(排出規制海域)
Emission Control Area
船舶からの硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)等の排出を通常海域より厳しく規制するIMO指定海域。
詳しい解説
実務での使い方
欧州・北米向け航路の運賃見積もりを取る際、ECA域内の航行距離がサーチャージに反映される点を確認する。北欧バルト海向けの貨物では、ECA航行区間が長くなるためLSS(低硫黄燃料サーチャージ)が他航路より高めに設定される傾向がある。航路選択やコスト試算時にはこの加算要素を見落とさないようにする。