共同海損(General Average、GA)は、海上輸送において船舶・貨物が共同の危険にさらされた際、その危険を回避するために合理的かつ意図的に行われた犠牲(投荷・消火放水など)または費用の支出について、船主・荷主・運賃支払者が財産価値の割合に応じて按分負担する制度だ。法的根拠はヨーク・アントワープ規則(York-Antwerp Rules)が国際的な準拠規則として広く採用されており、最新の2016年改訂版が主流だ。GA宣言がなされると、荷受人は貨物引き取りに際して共同海損分担金の支払いまたは保証の提供を求められる。貨物保険(ICC条件)に加入していれば保険会社がGA分担金を填補するが、無保険の場合は荷主が直接負担しなければならない。2021年のスエズ運河閉塞事故(エバーギブン号)ではGA宣言が行われ、約18,000本のコンテナの荷主にGA分担金の保証が求められた。
海運
共同海損
General Average
航海中の危険を回避するために船舶・貨物の一部を犠牲にした場合、その損害を利害関係者全員で按分負担する制度。
詳しい解説
実務での使い方
輸入貨物にGA宣言が出された場合、保険会社にただちに連絡してGA保証状(GA Bond)の発行を依頼する。無保険の荷主は現金供託を求められ、貨物引き取りが大幅に遅延する。すべての海上輸送貨物に適切な貨物保険を付保しておくことが、GA発生時のリスク回避策として必須だ。