ISMコードは1994年にIMOで採択され、SOLAS条約第IX章として組み込まれている。1987年のヘラルド・オブ・フリーエンタープライズ号転覆事故など、人的要因による重大海難が相次いだことを受けて制定された。運航会社は安全管理システム(SMS)を文書化し、安全・環境保護方針の明示、責任体制の確立、緊急時対応手順の整備、事故・不適合の報告・分析体制の構築、内部監査の実施などを行う。旗国の承認を受けた機関が審査を実施し、運航会社にはDOC(適合証書)、個別船舶にはSMC(安全管理証書)が発給される。これらの証書は定期的な更新審査が必要で、重大な不適合が発見されれば証書の停止や取消もありうる。PSC(ポートステートコントロール)でもISMコードの遵守状況は重点検査項目であり、不備があれば船舶の出港停止処分を受ける場合がある。
規制
ISMコード
International Safety Management Code
船舶の安全運航と海洋汚染防止のため、船舶運航会社に安全管理システム(SMS)の構築・運用を義務付けるIMOの国際基準。
詳しい解説
実務での使い方
フォワーダーや荷主が船社を選定する際、ISMコードへの適合状況はその船社の安全管理水準を示す指標のひとつとなる。特にタンカーやケミカル船による危険物輸送では、傭船者(チャータラー)が船社のDOC有効期限やPSC検査履歴をバッティング(船舶審査)で確認し、リスク管理に反映させている。