SAF価格の高止まりが継続

持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel: SAF)は、2026年まで従来のジェット燃料と比較して著しく高価な状態が続く見通しだ。価格は化石燃料ベースの燃料の2〜5倍で推移すると予測されており、航空貨物業界にとって大きなコスト負担要因となる。

価格高騰の3つの要因

SAFの価格プレミアムを維持している主な要因は以下の3点である。第一に、生産能力が限定的であること。第二に、原料(フィードストック)の供給不足。第三に、政策設計の不備により、スケールメリットが働きにくい構造になっていることだ。

現在主流のHEFA経路と規模拡大の課題

現在、SAF製造で主流となっているのはHEFA(Hydroprocessed Esters and Fatty Acids: 水素化エステル・脂肪酸)経路だ。この製造方法は技術的に成熟しているものの、規模拡大には構造的な制約が存在する。廃食用油や動物性油脂などの原料供給に限界があるためだ。

先進的製造経路の開発状況

アルコール・ツー・ジェット(Alcohol-to-Jet)、フィッシャー・トロプシュ(Fischer-Tropsch)、パワー・ツー・リキッド(Power-to-Liquid)などの先進的な製造経路の開発も進められている。これらは原料の多様化と生産規模拡大の可能性を秘めているが、商業化には依然として時間を要する見込みだ。