燃油サーチャージ(FSC)は、原油価格の急激な変動から運送人の経営を守るために導入された仕組みで、航空・海運の両分野で広く適用されている。航空貨物の場合、IATAが毎月公表するジェット燃料価格指標をもとに各航空会社が料率を設定し、通常は1kgあたりの単価で課金される。海上輸送ではBAF(Bunker Adjustment Factor)やEBS(Emergency Bunker Surcharge)の名称が使われ、コンテナ1本あたりの定額で徴収されることが多い。FSCの水準は原油市況に連動するため、原油高局面では運賃総額に占めるFSCの比率が50%を超えるケースもある。荷主にとってはFSCの変動が物流コスト全体を大きく左右するため、予算策定時には直近のFSCトレンドと先物市場の動向を把握しておく必要がある。近年はIMOの環境規制強化に伴い、低硫黄燃料への切り替えコストを転嫁するLSS(Low Sulphur Surcharge)も加わり、燃料関連のサーチャージ体系はより複雑化している。