IMOは1948年に設立条約が採択され、1959年に正式発足した。現在175を超える加盟国が参加する。SOLAS条約やMARPOL条約をはじめとする主要な海事条約の策定・改正を主導しており、海運業界における事実上の国際規制当局として機能している。近年はGHG(温室効果ガス)削減戦略に注力し、2023年に採択された改定戦略では2050年頃のネットゼロ排出を目標に掲げた。この目標達成に向けて、炭素集約度の段階的削減やカーボンプライシング導入の議論が進んでいる。IMOの条約は加盟国が批准して初めて効力を持つため、発効には一定の時間を要する。しかし主要海運国が批准すれば、旗国主義を通じて世界の大半の船舶に適用される仕組みになっており、規制の実効性は高い。海事関連法規の動向を追ううえで、IMOの海上安全委員会(MSC)と海洋環境保護委員会(MEPC)の会合結果は欠かせない情報源となっている。