リチウム電池は航空輸送において発火・爆発リスクがある危険物として、IATAのDGR(危険物規則書)およびICAOのTechnical Instructions(TI)で厳格に規制されている。規制は電池の種類(リチウムイオン/リチウム金属)と輸送形態(単体輸送/機器同梱/機器組込み)で区分され、Packing Instruction(PI)965〜970が対応する。2016年、ICAOは旅客機でのリチウムイオン電池単体輸送(PI965 Section IA/IB)を禁止し、貨物専用機のみでの輸送に限定した。さらに2024年のDGR第65版では、荷送人の訓練要件が強化され、UN3481(機器同梱)であってもSection IIの数量制限を超える場合はクラス9の完全申告が必要となった。スマートフォン、ノートPC、電動工具など日常的な製品にリチウム電池が内蔵されているため、航空輸出の実務担当者にとって最も頻繁に遭遇する危険品規制だ。