CBM(容積立米)とは
CBM(立方メートル)は、貨物の体積を立方メートル単位で表した数値だ。海上輸送の運賃計算や積み付け計画の基準として、フォワーダーと荷主の間で日常的に使われる。
1 CBM は 1m × 1m × 1m = 1 立方メートル。段ボール箱なら長さ・幅・高さをメートルで計測し、掛け合わせるだけで求められる。LCL(混載)では CBM がそのまま運賃計算の基礎となり、FCL(貸切)ではコンテナに何 CBM 積めるかが積み付け計画の出発点になる。
CBMの計算式
CBM = 長さ(m)× 幅(m)× 高さ(m)
センチメートルで計測した場合は 1,000,000 で割る(100³ = 1,000,000)。
CBM = 長さ(cm)× 幅(cm)× 高さ(cm)÷ 1,000,000
例: 120cm × 80cm × 100cm の段ボール 10 個
- 1個あたり: 1.2 × 0.8 × 1.0 = 0.96 CBM
- 10個合計: 0.96 × 10 = 9.6 CBM
複数個口の場合は個口ごとに CBM を計算して合算する。LCL 運賃は W/M(Weight or Measurement)課金のため、実重量(トン)と CBM を比べて大きい方が採用される点も忘れずに。
20ft / 40ft / 40ft HC コンテナの内寸と容積
海上輸送で使われる標準ドライコンテナの内寸・容積・Payload(最大積載重量)は以下の通り。
| コンテナタイプ | 内寸(L × W × H) | 容積 | Payload |
|---|---|---|---|
| 20ft(1 TEU) | 5.90m × 2.35m × 2.39m | 約 33.2 CBM | 約 28,100 kg |
| 40ft(2 TEU) | 12.03m × 2.35m × 2.39m | 約 67.7 CBM | 約 28,700 kg |
| 40ft HC(ハイキューブ) | 12.03m × 2.35m × 2.69m | 約 76.3 CBM | 約 28,600 kg |
※ 内寸・Payload はメーカー・製造年によって数センチ・数百kg の差が生じる。積み付け計画では余裕を持った数値で見ておくのが実務の慣行。
※ 日本国内のドレージでは車両総重量規制(通常 20 フィートで実質 21〜22 t 程度)によりコンテナの最大 Payload を使い切れないケースが多い。道路規制・軸重制限は仕向地でも異なるため、事前にドレージ業者と確認するのが基本だ。
40ft HC は嵩高貨物(背丈の高い貨物)に有効で、通常の 40ft より約 30cm 高い。電気製品・家具・プラスチック製品など軽くて体積の大きい貨物では 40ft HC を選ぶことで積載効率が上がる。
実務での充填率の目安(80〜85%)
コンテナを満杯に積み切ること(充填率 100%)は実務では原則ない。80〜85% 使えれば上々だ。
パレットが主な原因の一つ。規格パレット(1,100mm × 1,100mm など)を使うと、コンテナ内幅(2,350mm)に端数が出る。20ft コンテナに 1,100mm パレットを横並びにすると 2 列で 2,200mm となり、残り 150mm は使えない。梱包材・緩衝材もかさ上げ要因で、段ボールの壁面・フォームクッション・パレットの板厚分だけ内容物が入らなくなる。外形寸法で計算した CBM より容積の数% は確実に消える。
荷崩れ防止のための隙間も必要だ。輸送中の振動・衝撃で転倒・破損しないよう、荷締めベルトやコーナーポールを入れるスペースと、「天地無用」品を最上段に置くエリアを確保しなければならない。機械類・家具など直方体でない不整形貨物は隙間なく積もうとしても物理的に無理で、実質的な充填率がさらに下がる。
積み付け計画では、カタログ容積の 80% を目標充填量として計算し、そこから荷主の実際の梱包形状に応じて調整するのが実務のアプローチだ。コンテナ積載計算ツールを使えば、20ft / 40ft / 40ft HC ごとの積載目安をすぐに確認できる。
Payload(積載重量制限)との関係
コンテナには容積の上限と重量の上限(Payload)が独立して存在する。容積に余裕があっても、重量が先に制限に達することがある。これを「重量貨物」と呼び、金属部品・石材・化学薬品など密度の高い貨物で起きやすい。
- 貨物密度が約 0.85 t/CBM を超えると、20ft コンテナでは容積より先に重量(約 21〜22 t)に達しやすい
- 40ft は Payload が 20ft とほぼ同じで容積が 2 倍のため、重量貨物を分散させる場合に有利なことがある
- 一方、軽量かさ高貨物(繊維、プラスチック発泡品等)は容積が先に埋まり、Payload の余力が大きく残る
積み付け計画では CBM だけでなく貨物の総重量も確認し、コンテナの Payload とドレージ条件の両方から制約を洗い出すのが実務の基本だ。重量が制約になる案件では、W/M 課金の重量(W)が適用され、M/T(Metric Ton)基準での運賃計算になることもあるため、フォワーダーへの見積もり依頼時に貨物の重量情報を必ず明記すること。
よくある質問
Q: なぜコンテナを 100% 積まないのか? A: 物理的・安全的な理由と、実務上の制約の両方がある。完全に隙間なく積み込むには貨物の寸法が内寸にピッタリ合う必要があるが、現実にはパレットや梱包材で必ずデッドスペースが生じる。また、荷締め作業スペースの確保や「天地無用」品の配置制約もある。さらに重量制限(Payload・道路規制)から、容積が余っていても重量で積み増せないケースも多い。80〜85% を目安に計画すれば、多少の誤差があっても本船カットまでに対応できる。
Q: 寸法は内寸と外寸どちらで計算するか? A: 積み付け計画(コンテナに入るかどうかの確認)は内寸で計算する。コンテナのカタログスペックに記載された外寸ではなく、実際に貨物を入れられる内寸(上表の L × W × H)を使う。なお、LCL の CBM 計算では荷主が申告する貨物外形寸法(梱包後)を使うのが原則で、内寸は関係ない。
Q: LCL(混載)とどちらが得か? A: 積載量と航路によって異なるため、一律には言えない。LCL は CBM × 運賃単価で計算されるため少量でも出荷できるが、CFS 費用・D/O Fee が上乗せされる。概ね 10〜15 CBM 超の案件では FCL の見積もりも並べて比較するのが実務の定石だ。欧米向けは揚地 CFS チャージが高い傾向にあるため、分岐点が早くなりやすい。詳しくは FCL vs LCL 選び方ガイド を参照。
Q: 積み付け計算で気をつけるべきことは? A: 主に 4 点。① パレットの規格と個数から実際のフットプリントを計算する(平積みか段積みかで CBM が変わる)。② 重量物は床面積あたりの荷重(kg/㎡)も確認する。③ 危険物・温度管理品・天地無用品は配置制約がある。④ 仕向地のドレージ規制(軸重・車両総重量)を先に確認してから積み付けを計画する。コンテナ積載計算ツールで 20ft / 40ft / 40ft HC の積載目安をシミュレーションできるので、計画の出発点として活用してほしい。