最高裁判決の概要

2026年2月20日、米国最高裁判所は国際緊急経済権限法(International Emergency Economic Powers Act: IEEPA)に基づき課された関税を違憲として無効化する判決を下した。この判決により、中国、メキシコ、カナダからの輸入品に対する関税、および広範な相互関税(reciprocal tariffs)が法的根拠を失った。

既払関税の扱いは未解決

今回の判決では、既に輸入業者が支払った関税が返還されるかどうかについては明示されなかった。このため、米国への輸出入に関わる荷主および物流事業者は、今後の政府ガイダンスまたは追加訴訟の結果を待つ必要がある。関税返還の可否は、輸入業者のキャッシュフローおよび価格戦略に直接影響する重要な論点となっている。

今後の通商政策への影響

IEEPAが関税措置の法的根拠として使用できなくなったことで、米国政府は今後、別の法的枠組み(通商拡大法Section 232や通商法Section 301など)を活用する可能性がある。ただし、これらの代替手段には議会承認や詳細な調査プロセスが必要となるケースが多く、迅速な関税発動は困難になると見られる。