米国がチリ政府高官のビザを取り消し

米国務省(US State Department)は、チリと香港を結ぶ海底通信ケーブル(undersea telecommunications cable)の敷設計画を理由に、チリのグラリア運輸大臣(Transport Minister)を含む政府高官3名のビザを取り消した。

米中対立の新たな舞台

この措置により、南米の主要国チリは、最大の貿易相手国である中国と、伝統的な戦略的同盟国である米国ワシントンの間で難しい舵取りを迫られることとなった。海底ケーブルは通信インフラの根幹であり、データセキュリティや国家安全保障の観点から米国が中国の影響力拡大を警戒している分野である。

チリの地政学的ジレンマ

銅の世界最大級産出国であり、農産物の主要輸出国でもあるチリにとって、中国は不可欠な市場である一方、米国との安全保障上の関係も重要な位置を占める。今回のビザ取り消しは、インフラ投資における中国との協力が米国との関係に影響を及ぼす具体例となった。物流業界にとっては、南米航路における地政学リスクの顕在化として捉えるべき事案といえる。