通商法122条による異例の全世界関税

Global Trade Magazineが報じたところによると、トランプ米大統領は金曜日、通商法セクション122を引用し、全世界を対象とした10%の関税を発動した。同条項は国際収支の改善や通貨防衛を目的とした緊急措置として規定されているが、実際の発動例は極めて少ない。

特定国を狙い撃ちする従来の関税措置と異なり、今回は全貿易相手国に一律適用される点が特徴だ。日本を含むアジア諸国からの輸出貨物も例外なく対象となる可能性が高い。

日本発着貨物への直接的影響

日本からの対米輸出は自動車部品、電子機器、機械類が中心だ。10%の関税上乗せにより、荷主企業は価格競争力の低下とマージン圧迫に直面する。FOB条件で取引している場合でも、最終的な顧客負担増により受注減のリスクがある。

フォワーダーは荷主からの問い合わせ急増に備え、関税分類ごとの適用可否を迅速に確認する体制が必要だ。通関業者も品目コードの再確認と税額計算の正確性確保が求められる。

実務現場での混乱要因

現時点で適用品目の詳細リスト、除外措置の有無、発効日は明らかになっていない。B/L記載内容やインボイス金額の扱いについても不透明な部分が多い。THCやBAFといった付帯費用への課税可否も未確定だ。

通関手続きでは暫定的な税率適用や事後精算が発生する可能性がある。リードタイムの延長や書類不備による貨物留め置きも想定される。

代替戦略の検討開始

一部の荷主企業は既に生産拠点の分散や調達先変更を検討し始めている。メキシコやカナダ経由の迂回輸送、第三国での付加価値付与といった手法が議論されているが、いずれもコストとリードタイムの増加を伴う。

船社は配船計画の見直しを迫られる可能性がある。Transpacific航路の需要減退が現実化すれば、運賃市場にも波及する。フォワーダーは混載貨物の仕向地変更や保税倉庫活用など、柔軟な対応策を用意する必要がある。