アンチダンピング関税(AD関税)はWTOのアンチダンピング協定および関税定率法第8条に基づき、ダンピング(不当廉売)輸入から国内産業を保護するために課される。発動には(1)ダンピング(輸出価格が正常価格を下回ること)の存在、(2)国内産業への実質的損害、(3)ダンピングと損害の因果関係の3要件を立証する必要がある。日本では財務省と経済産業省が共同で調査を行い、最終的に政令で発動される。課税期間は原則5年間で、延長(サンセット・レビュー)も可能である。日本のAD措置の発動実績は10件程度にとどまるが、中国・韓国産の化学品・鉄鋼製品に対する発動例がある。輸入者にとっては通常関税に加えてAD税が上乗せされるため、調達先の変更を検討する必要が生じる。