中国産品に集中した関税命令

2026年3月16日付のFederal Register(ITA)が報じたところによると、米商務省および米国際貿易委員会(U.S. International Trade Commission)は同日、中国原産品を中心とした複数の貿易救済措置を告示した。

中国産ポリプロピレン製段ボール箱に対しては、アンチダンピング関税命令と相殺関税(カウンターベーリング関税)命令が同時に発令された。包装資材の調達において中国サプライヤーへの依存度が高い荷主・倉庫業者は、対米向け出荷コストの上昇に直面する。

中国産一時的スチールフェンシングについては、2024年7月1日から同年12月31日を調査期間とした最終肯定決定が下され、重大な状況(critical circumstances)も部分的に認定された。これにより遡及課税の適用範囲が広がる可能性がある。

中国産牽引式芝刈り機およびその部品に関しては、米商務省と米国際貿易委員会が関税命令の継続を決定。既存措置の存続が確認された形だ。

冷媒・油井管でも中国・ベトナムに認定

冷媒分野では、中国のZhejiang Sanmei Ind. Co., Ltdが2023年3月1日から2024年2月29日の調査期間においてペンタフルオロエタン(R-125)をダンピング価格で販売したと最終決定された。一方、Zhejiang Yonghe Refrigerant Co., Ltdは個別レートの対象外と判断されており、同一品目でも企業ごとに結果が分かれた。

油井管(Oil Country Tubular Goods)については、ベトナム産が2023年9月1日から2024年8月31日の調査期間でダンピング仮決定を受けた。同調査では2社に対する行政レビューが部分的に取り消された。対照的に、韓国産油井管は同期間においてダンピング価格での販売なしとする仮決定が示された。

イタリア産パスタも最終認定

欧州からはイタリア産パスタが対象となった。米商務省は2023年7月1日から2024年6月30日を調査期間とした行政レビューで、ダンピング販売があったと最終決定した。食品分野での欧州産品への措置適用は、対米輸出を手がける食品フォワーダーにとっても留意が必要な動向である。

品目・原産国の多様化が示す構造的な広がり

今回の7件は冷媒・建材・包装材・農業機械・食品・エネルギー資材と品目が広範にわたり、対象国も中国・ベトナム・イタリアに及ぶ。単一の産業政策的文脈では説明しきれない、貿易救済措置の構造的な広がりを示す動向として注目される。